雲門山 寶林寺
寶林寺は、臨済宗大本山京都大徳寺の開山「 大燈国師 」( 宗峰妙超 )の生誕地を記念するため、特例別格地として1738年に建立された寶林庵を起源とする禅寺です。大燈国師ゆかりの聖地として、多くの参詣者が訪れます。
境内には「大燈国師誕生の産湯の井戸伝説」を秘めた「夜泣きの手水鉢」など、歴史的な宝物が残されています。さらに方丈は前庭と共に心いやされる場で、荘厳な国師座像が安置されています。また茶室も併設され、禅の精神を感じながら一服することができます。
アクセス
〒679-4153 兵庫県たつの市揖保町門前192
JR山陽本線「網干駅」「竜野駅」から車で約10分
JR姫新線「本竜野駅」から車で約10分
主たる行事
![]() | 1月1日〜2日 | 新春参詣 |
| 3月末 | 春季彼岸会 | |
| 4月8日 | 花まつり(降誕会) | |
| 9月中旬 | 仲秋観月会 | |
| 10月22日 | 大燈国師開山忌 | |
| 12月31日 | 除夜の鐘 |
臨済宗大徳寺派本山『大徳寺』
大燈国師(だいとうこくし、宗峰妙超)が開いた寺院として、大徳寺(だいとくじ)があります。
大徳寺は、日本の臨済宗における中心的な寺院の一つであり、国師の厳格で独立した禅の精神を今に伝える重要な存在です。
1. 創建と開山
- 開山: 宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)、諡号(しごう)を大燈国師といいます。
- 創建年: 鎌倉時代末期の正和4年(1315年)。
- 背景: 国師は師である南浦紹明(なんぽじょうみょう)から受け継いだ純粋な禅の教えを広めるため、京都・紫野(むらさきの)の地に庵を結んだのが大徳寺の始まりです。
2. 「不立文字」の純粋禅
大燈国師は、当時の禅宗が権力と結びつき世俗化していく風潮の中で、言葉や形式に頼らない、真に厳しい純粋禅の修行を徹底しました。
- 修行の徹底: 時に市中に身を隠し、自ら厳しい修行を重ねたことが知られており、この徹底した求道の姿勢が、後の大徳寺の独立不羈(どくりつふき:他者の支配を受けない)の精神的支柱となりました。
3. 歴史への影響
国師の禅風は、後の日本仏教界と文化に大きな影響を与えています。
- 法脈の源流: 大燈国師の法脈(禅の教えの継承)は、臨済宗の主要な派である大徳寺派、そして同じく広大な勢力を持つ妙心寺派の源流(応燈関の法脈)の一つとなっています。
- 茶道の精神: 大徳寺の独立した簡素な禅の美意識は、後の一休宗純による復興を経て、千利休に深く受け継がれました。これにより、大徳寺は侘び茶の精神的な故郷となり、日本の茶道文化を支える中心地となりました。
大徳寺は、大燈国師が体現した厳格な禅と、権威に屈しない自立の精神を今に伝える禅宗屈指の名刹です。
